2023〜2024年はまさに「POPUP戦国時代」と呼ばれ、どの商業施設でも注目の施策としてPOPUPストアが盛り上がりを見せています。
しかし、ただ出店するだけでは成功はつかめません。場所やターゲット層、集客施策をしっかりと計画しなければ、売上やブランド認知拡大に繋がらないことも…。そこで今回はPOPUPストア初出店を成功させるための「10のポイント」をご紹介します。
1. ターゲットを明確にする
POPUPストアを成功にみちびくためには「誰に向けた出店なのか」というターゲット設定が非常に重要です。ターゲット層の年齢や性別、ライフスタイル、趣味喧好を具体的に想定し、その層に響くような空間づくりや商品構成を意識することで効果的な集客が可能になります。
例えば、10代〜20代の女性向けのアクセサリーや低価格のファッション商品を展開する場合、百貨店よりも若年層の来店が多いファッションビルやショッピングセンターでPOPUPを行う方が成功しやすい傾向に。こうした場所では、週末や放課後の時間帯に若い層が集まりやすく、SNS映えする空間や商品の展開が強い集客力を持ちます。
一方で、30代〜40代の働く女性向けの高質なコスメやアパレル商品であれば、百貨店やハイエンドな商業施設が適しています。この層は、落ち着いた空間で上質な体験や商品を求める傾向が強いため、出店する場所によって「誰に見てもらい、誰に買ってもらいたいか」を明確にすることが大切です。
また、ターゲット層のライフスタイルに合わせた施策も有効です。例えば、ベビー用品やキッズ関連商品であれば、ファミリー層が多く訪れる住宅地近くのショッピングモールが最適です。こうした施設では、子ども連れでも訪れやすい工夫がされているため、ターゲット層の「買いやすさ」をサポートできます。
POPUPストアでは限られた期間で最大限の成果を上げる必要があるため、ターゲット層と出店場所のマッチングをしっかりと行い、買購意欲の高いお客様に確実にリーチすることが成功への第一歩となります。
2. 出店場所とブランドのマッチング
上記の1に似ていますが、POPUPストアの成功には「出店場所の選定」が非常に重要です。ブランドの世界観やターゲット層に合った商業施設やエリアを選ぶことで、集客効果を最大限に引き出し、売上やブランド認知向上に繋げることができます。
例えば、トレンド感のあるアパレルブランドであれば、若者が集まりやすいファッションビルやショッピングセンターを選ぶのが効果的です。渋谷や原宿など、若年層に人気のエリアや、週末に多くの人が訪れる商業施設は、SNS映えを意識したPOPUP空間を設けることで話題性を生みやすく、拡散効果も期待できます。
一方で、高級ブランドやハイエンドなコスメ、ジュエリーなどを扱う場合は、百貨店や高級志向の強い商業施設を選ぶのがベストです。銀座や表参道など、高級志向の顧客が多く集まる場所はブランドの価値を高め、購買意欲の高い層にリーチしやすくなります。
また、ライフスタイル提案型の商品やブランドであれば、都市部だけでなく、住宅地近くのショッピングモールや地域密着型の商業施設も有効です。ファミリー層や地元の住民が頻繁に訪れる場所に出店することで、日常の中でブランドを自然に認知してもらい、継続的なファンづくりにもつなげられます。
さらに、出店場所の特性を理解することも重要です。同じ商業施設内でも、1階は集客力が高く新規顧客の目に触れやすい一方、上階や奥まった場所は常連客向けの展開が適していることがあります。そのため、施設内のフロアや区画の特性も考慮し、最も効果的な場所を選びましょう。
ブランドの世界観と出店場所が合致していると、来場者に「自分に合う商品だ」と自然に感じてもらうことができます。場所選びは単なる「出店先」ではなく、ブランドの価値を伝える「戦略的な選択肢」として捉え、ターゲット層に最適な場所を見極めることがPOPUP成功の鍵です。
3. 期間やタイミングの最適化
POPUPストアを成功させるためには「出店期間」と「タイミング」の最適化が欠かせません。限られた出店期間だからこそ、購買意欲が最大限に高まる時期やイベントに合わせることで、効果的な集客と売上向上が期待できます。
例えば、クリスマスやバレンタインなどのシーズンイベントは、ギフト需要が高まるタイミングです。アクセサリーや雑貨、コスメなどの商材は特に需要が増え、POPUPストアならではの「限定感」を打ち出すことで、来店者に購入を促すことができます。また、春には新生活や入学・入社シーズンが控えているため、家具やインテリア雑貨、ファッション系POPUPが注目されやすくなります。
加えて、ターゲット層が活発に動く時期を狙うことも重要です。例えば、若年層をターゲットとしたアパレルや雑貨は、学生の春休みや夏休み、冬休みといった長期休暇の時期に出店すると効果的です。逆に、社会人をターゲットにした場合は、ボーナス支給時期や連休に合わせて出店すると購買意欲の高い層にアプローチしやすくなります。
さらに、期間設定の工夫も成功のポイントです。長期間の出店は一時的な話題性が薄れやすいため、POPUPの魅力である「期間限定」の特性を最大限に活かすためにも、1週間〜1ヶ月程度の短期間集中型が効果的です。短期間であれば「今行かないと買えない」「限定品が手に入る」といった希少性や緊急性を演出でき、来店者の購買行動を後押しします。
イベントやトレンドを味方につけることで、出店計画の鍵を握ることができ、最大限の成果を上げることが可能になります。
4. 目を引く魅力的な空間デザイン
POPUPストアは、視覚的インパクトがそのまま集客力に直結します。来場者が「行きたい」「写真を撮りたい」と感じるような空間を作ることが成功の鍵です。ブランドの世界観を最大限に表現する装飾や什器を用意し、ターゲット層の感性に響くデザインを意識しましょう。
例えば、SNS映えするフォトスポットを設置するのはここ最近ではマストとされています。ブランドロゴやシンボルを大きくディスプレイしたエリアや、特別な照明を使った幻想的な演出は、来場者の投稿意欲を高めます。また、素材やカラーを工夫して商品と空間に一体感を持たせることで、ブランドの魅力がより際立ちます。
さらに、導線や体験型の仕掛けも重要です。来場者が自然と奥へ進む導線設計や、商品の試着や体験を促すスペースを設けることで、滞在時間が延び、セット率向上による客単価が高まります。空間全体を「ブランドの物語を感じられる場」としてデザインすることで、POPUPならではの特別な体験を提供できます。
5. SNSを活用した事前告知
事前の情報発信は、POPUPストア成功の鍵を握る重要なステップです。SNSを効果的に活用することで、ターゲット層に情報を確実に届け、話題性を高めることができます。
まず、InstagramやTikTokなどビジュアル中心のプラットフォームで、POPUPストアの空間デザインや商品写真を公開し、視覚的に興味を引きましょう。SNS映えするビジュアルは拡散力が高く、事前期待値を高める効果があります。また、専用ハッシュタグを作成し、トレンド感やブランドらしさを打ち出すことで、情報の検索性を向上させるのもポイントです。
さらに、カウントダウン投稿や限定アイテムのティザー（予告）動画を使い、開催までの間に期待感を徐々に高めます。開催直前には、商品や会場の魅力を発信し、ターゲット層にリーチするのも効果的です。SNSの投稿は「行きたい」「体験したい」と思わせる内容を意識し、継続的に発信することが成功への近道です。
6. 限定商品やイベント企画
POPUPストアの最大の魅力は「ここだけ」「今だけ」の特別感です。限定感を打ち出すことで集客力が格段に高まります。例えば、POPUP限定アイテムや先行発売商品を用意することで、来場者に「この機会を逃したくない」と思わせる効果を生み出します。さらに、数量限定や期間限定の要素を加えることで希少性を演出できます。
また、体験型イベントやワークショップも集客に効果的です。コスメブランドならメイクアップレッスン、ハンドメイド商品ならワークショップを提供することで、来場者がブランドの魅力を体感できる場を作りましょう。
加えて、インフルエンサーとのコラボイベントや、ブランドの背景やストーリーを伝えるトークショーを開催するのも効果的です。限定商品や特別な体験を提供することで、POPUPの価値を高め、来場者に「特別な時間」を感じてもらうことが成功への鍵です。
7. スタッフ教育と接客力の向上
POPUPストアはブランドとお客様が直接接する貴重な場です。そのため、接客スタッフの対応力が成功の大きな鍵を握ります。ブランドの価値や商品の魅力をしっかりと伝えるために、スタッフ教育を徹底することが重要です。
まず、ブランドのコンセプトや商品知識の共有を徹底しましょう。POPUPストアに訪れるお客様は、新しい発見や体験を求めていることが多いため、スタッフが商品の特徴や背景を詳しく説明できると、顧客の満足度が向上します。また、笑顔や明るい挨拶など、基本的な接客スキルの向上も欠かせません。
さらに、接客に加えて、顧客の声を収集する役割を担うよう教育するのもポイントです。POPUPストアではリアルな顧客の反応を得られるため、ニーズや課題を把握し、今後の商品開発やサービス向上に役立てることができます。
お客様に特別感を与える丁寧な対応は、ブランドの印象を大きく左右します。POPUPストアを通じてブランドファンを増やすためにも、接客力を高めたスタッフの配置を心がけましょう。
8. 売上や顧客動向のデータ収集
POPUPストアは、顧客のリアルな反応を直接得られる貴重な場です。これを活かし、売上データや来客数だけでなく、顧客の声や行動パターンを詳細に収集することで、今後の展開や商品改善に繋げましょう。
具体的には、売れ筋商品や購入時間帯を記録をし、商品ごとの人気を分析します。また、アンケートフォームを設置し、来場者に商品の感想や求める商品について意見を聞くことで、顧客ニーズを深掘りできます。QRコードを活用したオンラインアンケートなら、回答のハードルを下げることが可能です。
さらに、スタッフが直接顧客から得たフィードバックをメモする仕組みを設けるのも有効です。例えば、「この色のバリエーションが欲しい」といった具体的な声は、新商品開発に役立つ貴重な情報です。
こうしたデータを基に、POPUP後のマーケティング施策や商品展開に反映させることで、顧客満足度を高め、次回の成功に繋げましょう。
9. デジタル施策との連動
POPUPストアの成功をさらに拡大させるには、リアル店舗とオンラインを組み合わせた施策が重要です。来場者にECサイトへの誘導やSNSフォローを促すことで、継続的な購買やブランド認知の向上が期待できます。
例えば、POPUPストア限定のQRコードを設置し、特典付きでECサイトへ誘導し、「QRコードをスキャンしてフォローすると10%オフクーポンプレゼント」といったインセンティブを提供すれば、自然にオンラインでのエンゲージメントを高められます。
また、POPUPストアの来場記念として、SNS投稿キャンペーンを実施するのも有効です。「#〇〇POPUP」などの専用ハッシュタグで投稿すると抽選でプレゼントが当たる仕組みを導入すれば、ブランドの認知拡大につながります。
さらに、顧客データを収集し、来場者へ後日リターゲティング広告を配信することで、再訪問やオンライン購入を促進することも可能です。リアルとデジタルを融合した施策を展開することで、短期的な効果だけでなく長期的なブランド成長を実現できます。
10. POPUP終了後のフォローアップ
POPUPストアが終了した後も、顧客との関係を大切にすることで、リピーター獲得やブランドの成長に繋げられます。終了後は、SNSやメールを通じて感謝の気持ちを伝えるお礼のメッセージを配信しましょう。例えば、POPUPでの写真や成功事例を交えた投稿で「ご来場ありがとうございました！」と共有すれば、参加者に喜ばれるだけでなく、新規顧客へのアピールにもなります。
また、来場者に限定クーポンを送る施策も有効です。「次回のPOPUPやECサイトで使える10%オフクーポン」などの特典を提供することで、次回以降の購買を促進できます。さらに、SNSでは次回出店予定や新商品の情報を継続的に発信し、フォロワーとのエンゲージメントを維持することも重要です。
POPUP終了後も顧客との接点を持ち続けることで、一度訪れた人を長期的なブランドファンに育てることができます。
まとめ
POPUPストアを成功させるためには、事前準備から当日運営、そしてその後のフォローアップまで、一連の流れをしっかりと計画することが重要です。ターゲット設定や出店場所の選定、魅力的な空間デザイン、SNSを活用した告知、限定感のあるイベント企画など、ポイントを押さえることで、短期間で最大限の成果を得ることができます。
さらに、POPUP終了後も顧客とのつながりを維持し、収集したデータを次回以降の施策に活かすことで、ブランドの成長を持続させることが可能です。今回ご紹介した10のポイントを参考に、初出店を成功させてください。
POPUPでの成功体験が、新たなチャンスやブランドの拡大に繋がるはずです。今後の出店計画においても、効果的な戦略を立て、持続的な成長を目指しましょう！
